2004年10月
残像に口紅を
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筒井康隆の実験的な小説。
『「あ」が使えなくなると、「愛」も「あなた」も消えてしまった。』
という言葉が背表紙にありますが、この小説は、
物語が進むにつれて使える文字がどんどん減っていくという小説です。
それだけでも十分前衛的なのに、筒井はさらに、
「消えた文字を含む事物も消える」という構造を入れ込んでいます。
例えば、主人公の娘の名前に含まれる一文字が消えると、その娘も
小説世界から消失し、主人公の記憶からも消えていく、といった具合に。
このルールを守りながら、最後の一文字がなくなるまで
物語は続きます。すげー。
使える文字がどんどんなくなっていく過程のスリリングさは、
この小説ならではの味わいです。
残像に口紅を (中公文庫)/筒井 康隆
ルーズソックス衰退の仕掛け人
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一昔前、女子高生の代名詞だったルーズソックス。
今履いているのは、主に田舎の女子高生ですが、
このルーズソックスが廃れたのには、とある企業の仕掛けが
あったと言われています。
その企業は、いわゆる普通のソックスを作っているメーカーでした。
みんながみんなルーズソックスを履いていて、売上げが落ちてしまった
そのメーカーは、なんとかルーズソックスブームを終わらせようと、
一つの策を練りました。
それは、渋谷での大規模なアンケートでした。
ファッションや流行などに関するダミーの質問に紛れ込ませ、
「もうルーズソックスが流行っていないのをご存知ですか?」
という質問を女子高生に聞いたのです。
まだまだルーズソックスが勢いをもっている時代でしたが、
アンケートという、広告などとは違う真実味を持ったフィルターを通して
女子高生にこのメッセージを訴えたため、一気に女子高生の
ルーズソックス熱は冷めてしまったのだとか。
えてして、何かを大衆に伝えようとする時マスメディアが
最適と思いがちですが、本当に世の中を変えるのは、
こんな発想の転換のチカラなのですね。
女性誌の実感コピー
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とある女性誌の表紙にて。
当時、バカップル騒動でブイブイ言わせていた羽賀研二の記事に、
「元恋人が証言。羽賀研二22cmの驚異!」
という見出しがついていました。
ここまでは、なんてことないコピーです。
いや、22cmはすごいのですが、表現としてはなんてことない言葉です。
驚愕なのは、その横に添えられた一言。
「ちなみに本誌の横幅は21センチ」
これ、すごいです。
リアリティのなかった言葉が、雑誌を手にしている読者には、
急に実感として現れてきます。思わず想像してしまいます。
いいコピーは目に浮かぶ。
これこそが一行のチカラなのですね。
目に浮かばせたくはありませんがw
※画像は直接関係ありません。
ドーム試合での新聞広告
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ゴタゴタが続いているプロ野球ですが、
今日めでたく日本一が決まったのでその関連ものを。
本日のナゴヤドームの試合のテレビ欄です。
白麒麟の広告が入っていますが、
このスペースは東京ドームが出来るまではありませんでした。
それまでこのスペースに書かれていたものは「雨天時の場合の番組」。
すなわち、ドームが出来たことでその試合が
雨で流れるという可能性がなくなり、
そのスペースが空いてしまったのですね。
東京ドームが出来る、というニュースを聞いたとある広告会社が
そこから連想を働かせ、広告スペースが出来る!ということに
いち早く気付き、その枠の広告販売権を買い切ったのだとか。
うーん、素晴らしい連想。
世の中のどんな出来事にもビジネスチャンスは
存在するのです。
常にアンテナビンビンでいたいものです。
樹木希林の名前
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樹木希林という名前が誕生したエピソードをご存知ですか?
若い方は知らないかもしれませんが、
樹木希林は昔、「悠木千帆」という芸名でした。
で、ある番組で「何でもいいので、持ち物をオークションで
売ってください」というお題がありまして、
何も売るものがなかった悠木千帆は、自分の名前をオークションに
かけるというトンデモ発想で乗り越えたのです。
売っちゃったので、新たな名前を名乗ることになりました。
それが、樹木希林。
落札した人が、その後「悠木千帆」と名乗ったかは
不明ですが、今でこそよく行われている
無形財産の売買(ネーミングライツ)を、
1977年にその価値を見抜いて実施した樹木希林って、すごーい。
エレベーターの待ち時間
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とあるビルでのお話。
利用者が多いためか、そもそも運転が遅いのか、
なかなかエレベーターがやってこないビルがありました。
利用者はいつもイライラしてエレベーターがやってくるのを
今か今かと待っていました。
なんとかしてくれと苦情が相次ぎ、ビル側はようやく
重い腰をあげました。しかしいかんせんお金がなく、
エレベーターを増やしたり、高速化することは出来ません。
どうやって解決したのか?
目から鱗が3枚くらい落ちたのですが、そのビルのオーナーは
エレベーターを待っている壁に鏡を設置したのだそうです。
すなわち、待っている間に自分の顔や全身を見てもらい、
待ち時間をつぶしてもらう、という策です。
実際たったこれだけで、苦情はピタッとなくなったそうです。
待ち時間というマイナスのものをなくす、という発想から、
待ち時間というマイナスのものをプラスにする、という発想へ。
これ、私の中でハミダシ発想です。拍手。
100万人のキャンドルナイト
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夏至・冬至の日に2時間、電気を消しましょうという呼びかけを
してるイベントです。
とってもステキだと思うのですよ、この企画。
省エネとか、もちろんそういうこともあるのですが、
一斉にみんなで何かをやるって、
ありそうでなかったことじゃないですか?!
2003年の夏至から始まってただいま実施3回。
年々、盛り上がってきてます。
いつか、この時間はテレビも放送中止!
なんてなるかもしれませんね。
http://www.candle-night.org/